※ この記事は子育て中の親が読む前提で執筆されています。
子育て中、特に小学生1〜2年女子を育てている親御さんにはお役に立てるのではないかと。
『学校では教えてくれないこと』を『創造の産物』が教えてくれるのはよくあることです。
説教じみた伝え方、講義形式やそもそもつまらないものだと子どもたちの脳みそに届きませんからね。
なるべく楽しく感じ、そのついでにためにもなるようにアレンジして渡しています。
なので、創作物(小説・絵本・アニメ・YouTubeの動画など)を題材にお話することも多いです。
今回は
某アニメを教材にして、
親が教えにくいことを伝え、
その後も後遺症のようなものも見受けられなかったので、
そのことについてまとめたいと思います。
ネトフリと「ぼくらの」アニメ版へのルート
はじめは主人が長女・いちこに アニメ版「ぼくらの」を見せたことでした。
マンガ版「ぼくらの」は2000年代に月刊IKKIで連載されていたマンガで、
過激な描写、精神的にクる内容、主人公の子どもたちが過酷な運命にさらされると私の中で評判でした。
(「ぼくらの」という作品名を聞くだけで身構える程度には)
その「ぼくらの」が、コミックス連載中にアニメ化しました。
今回長女に見せたのはそのアニメ版です。
内容は原作から比べれば地上波向けに多少マイルドになったものの、主な方向性(子どもたちが過酷な運命に・・・という部分)は変わっていません。
地上波といっても主な方向性が方向性なだけに、夕方のゴールデンタイムに放映するのは無理だったみたいです。
深夜アニメとしての放映でした。
マンガ版「ぼくらの」を知ってる人やファン層からすると、賛否両論の「否」しかなかったみたいですが、
『学校で教えにくいことを楽しく創作物で教えよう』という今回のコンセプトには合致したみたいです。
そんな「ぼくらの」。
主人から長女・いちこに「ぼくらの」を見せたと聞いた時のはじめの印象は
「子ども(長女)の精神に悪影響はなかったか?」
でした。
(驚いたため、口からついて出た言葉は「見せたの?!アホなの?!」でしたが。)
悪影響について問題ないと判断した主人と見せた理由
マンガ版もアニメ版もざっくり言えば「大人向け」です。
しかし、作品と見せ方を吟味すれば、じゅうぶん子どもに見せていいクオリティになります。
作品の選び方は、
『伝えたい内容かどうか?』ですね。
子どもの手を止めるため、
子どもの時間をつぶすため、
に、目的なく見せるのは良しとしていません。
むしろ禁止です。
(→★ テレビ禁止令)
見せ方の要点としては、
効用を把握して与える
(ただ時間つぶしに見せない)
子ども自身に任せる
(見たい、見たくない、場所を変えて見たい、あとで見たいなどは子どもが選ぶ)
ランダム性に任せる
(???)
手前勝手に賞賛批判する
(内容を鵜呑みにしたり、黙って聞くというルールは作らない。「これ変でしょ」とか言っていい。)
クオリティ水準のみにフォーカスする
(大人から見て変なところは変と伝える)
作品中で使われている知識は知識として間違っている可能性があることを知っておく。シナリオ重視の誇張表現や簡略化などがある。
ポイントは「一緒に観る」「親の視聴への同席を許す」ということです。
親が見たいから視聴していて、見たいならどうぞ、というスタンスですね。
「これは役に立つから一緒に見よう!」と言われたら、「イラネ」となるのが子どもです。
あくまでも親が見たいから視聴していて、「見たいならどうぞ?」「やめてもいいよ、お父さんは見てるけどね」という態度が大切なわけです。
もちろん、「もう見ない」と言われたらそこで子どもの視聴はおしまい。
「いやいや、これからいいところだから一緒に見ようよ!」というのはネタバラシになってしまいますね。
意外としがちなので、注意です。
実はアニメ版「ぼくらの」はかなりマイルド
言うまでもなく、ストーリー面の完成度はマンガ版の方が段違いに高いです。
が、マンガ版は小学2年の長女にはかなり厳しいと判断したようです。
(解説があればわかると思うんですが・・・
「ストーリー内容に関しての解説が必要なら見せない」
という主人の基本指針があります)
なお、「アニメ版でも一定の効用はありそうだ」と思い今回の視聴に踏み切ったようです。
むしろ、小1〜2くらいの子(特に女子)に見せておくべきエピソードは多かったようです。
『だめんず図鑑』として・・・!!
学校では
『大人(年長者)は人格者であり敬うべき』
と教えます。
これでご両親が人格者だった場合、身近にだめんずがいないことになり、だめんずの存在を知らないまま大人になってしまいます。
これは危険です。
現実には、『わかりやすいだめんず』もいれば、『わかりにくいだめんず』もいます。
『わかりやすいだめんず』を避けることができても、『わかりにくいだめんず』やDV男のように優しい一面を持ち合わせているようだと切りにくいですよね。
いろいろなだめんずを見ることができれば、恋する前の冷静な目でだめんずを見れます。
貴重な経験だと思います。
アニメ版「ぼくらの」は、絵も動きもあるし、音もあるので、長女がシナリオを理解するのに苦労はしなかったようです。
内容も『子どもが過酷な運命にさらされる』という主な方向性は保持したまま、
地上波で放映できる程度までマイルドになりました。
子どもを「子ども扱いする部分」「子ども扱いしないケース」について
よし、じゃあ、うちも「ぼくらの」見せるぞ!
と思った方、
まだ早まらないでください!
(いないかw)
その子にとって「自分の親」がどういう位置づけになっているか?、が問題です。
それまでアンパンマンやプリキュアなどの『子ども向けコンテンツ』しか観せていなかった親が、
「リック」や「ぼくらの」などの大人向けコンテンツを突然観せることには弊害があるのです。
それは子どもが感じる「一貫性」の問題です。
子どもは一貫性に敏感です。
子どもは、何も知らない状態で生まれ、『経験のみ』で知識や生きる力を蓄えて大きくなります。
騙されると自分の身が危ういのです。
ここで自らの身体と未来を守るための防御となるのが一貫性です。
一貫性のない「事がら」や「人物」についての重要度を落とすのはそういうことなのです。
親子の会話で
母「(カチン!)黙って言うこと聞きなさい!」
という会話はよくあると思います。
危険なものや社会的にダメなものなら頭ごなしに叱りつけることもありますが、あまり多くないはずです。
さらに
翌日の母「もう8時半だけど、まぁいっかー」
というふうに『自分の体調』と『テンション』で決まりをファジーに曲げること、あるあるだと思います。
特に体力がない女性の場合、疲れがたまるとルールを守ろうとする『やる気(意志力)』がなくなるため、ルールを守る気が起きない経験をした人は多いと思います。
(『私は寝る時間は厳守してます!』という人は別の時に似たことをしてないか探してみてください)
子どもは一貫性がないものについて敏感です。
ましてや、自らを守り、成長させる対象(主に親)がブレてるとしたら一大事!なので、指摘してくるのです。
指摘するだけ信頼されているとも言えます。
(指摘されなくなったら残念ですが親子関係はロスタイム(→時が来たら終わり)です)
上記のような場面になったら、
「『さっき言ったこと』と『今言ったこと』がなぜ違うのか?」を説明する責任があります。
そうしないと「一貫性のない人物」ということになり、母の発言の優先順位が下がります。
もし「うちの子は私の言うことを全然聞いてくれない」とお悩みの方がいらっしゃったら、
重要度が落ちているのかもしれません。
子どもは『一貫性がない大人だ』『言うことを聞く必要はない』と判断すればシビアです。
過去に上記のような会話が無かったか、振り返ってみてもいいかもしれませんね。
逆に的確に説明できて、それに一貫性があったら母の発言の優先順位が上がります。
このことからわが家では子どもの「なんでー?」は『フラグイベント』と呼んでいます。
※ フラグイベントとは?
フラグは英語で旗(flag)のこと。ここでは『フラグが立つイベント』の意味で使っています。フラグが立つか立たないかでこれからの展開が分岐します。育児においては、フラグが立った=チャンスを掴んだ、と言い換えてもいいかもしれません。
話を戻します。
今まで子ども向けのコンテンツしか見せてこなかった親が、
突然、大人向けコンテンツを見せることには上記のような弊害があります。
(一貫性の崩壊)
じゃあどうしたらいいか?
親だけ見て、子どもが食いつくのを待つのも一案です。
その時は子どもだけで見せるのではなく、「親が見てるのに同席する」
という前提を守るようにしましょう。
「見たい!」「もう見ない」に文句をつけないのも大切です。
モーダルチャネル別のアプローチが必要
実はうちの長女は動画への没入性が高い子でした。
好きな動画を見せて放っておくと、何時間でも見るでしょう。
この個人の特性(長所にも短所にもなる)は一生モノで、人間性や人格のように変わることはありません。
逆に次女は動画を見てると途中で離脱します。
そしてそれを問題にすることはありません。
「ちょっと待って!これからが良いところなんだから!」とは(言いたいですが)言いません。
次女は長女ほど動画への耐性がない、没入性がないというわけです。
(もちろん長所であり短所です)
なので、次女については『別のアプローチ』が必要と考えています。
どんな作品を見せるか?主人が娘たちを観察して選んだコンテンツとは?
実はアニメ版「ぼくらの」を見せた理由は、はじめは『ネタ切れ』からでした。
これまで見せたものは、、、
(順不同)
・リックアンドモーティ
(親が教えにくい、性、BLGT、避妊、未婚の母、離婚について触れていて、それでいて本格SF。展開が早いので意外と小さい子も飽きずに見れる。ライトな楽しみ方もディープな楽しみ方もできる名作。
ただ、これ見てしかめっ面を子どもに見せるのは逆効果なので、笑い飛ばせないなら子どもと一緒に見ない方がいい。)
・魔法少女まどかマギカ
(可愛らしい萌え絵とは裏腹に本格的なSFです。お花畑になりがちな『魔女っ子』というものに幻想を抱かせないために見せたようです。そのおかげか、うちの子はまったく魔女ごっこをしません。)
・ガールズ&パンツァー
(女子しかいない世界で『戦車道』という架空の武道を極める女子中学生たち。『戦車道』はその世界にとって『花道』や『茶道』といった「良家の女子が身につけるべき伝統的教養」にあたるため、みんな真剣に取り組み、グリスとホコリだらけになる。そして、部活動を通じて日本一を目指すといった内容。
人数や戦車は規定内なら自由に編成できるため、それぞれの学校で人数も戦車の台数・性能も大きく違う。主人公が率いる隊列は圧倒的に不利な状況におかれるが、戦術と機転を駆使して切り抜けていく。
男子がいないので、恋愛要素が一切ないため武道に100%打ち込めるという設定も安心ポイント)
・蒼き鋼のアルペジオ
(身元不明の船が海に陣取っているため、海に出られなくなり、国々が孤立し貧しくなった日本が舞台。船にはAIが搭載されていて、それが人格を持つことでさらなる成長を遂げるらしい。私もまだ見てない)
・翠星のガルガンティア
(宇宙に進出した人類は更なる脅威に晒されていた。宇宙では「役割を果たさないものは選別される」ことが当たり前だった。宇宙に住む人類を脅威から守るための軍隊に所属していた主人公は、地球に不時着。
助け合って暮らし、体が弱い者を支え、祭りや趣味を楽しむ地球の人類と暮らすうちに、宇宙で当たり前だと思っていた命の選別について疑問を感じる。
文化の違いによる衝突と理解とAIによる誤解が描かれている。
パイロット啓発システム・チェインバーが便利すぎて、うちにも一台ほしい。)
・はたらく細胞
(赤血球、白血球さん、血小板ちゃんなどの細胞たちが日夜働き、細菌やウイルス、花粉症などの外敵や熱中症などの環境変化に対応して健康を維持するお話。樹状細胞さんやキラーT細胞、マクロファージさんなど出てきて、「遊走」や「活性化」などがコミカルに描かれる。
どうせいつかは覚える専門用語は、子どものうちに触れておいたほうが拒否反応が出にくいのでおすすめ。
血しぶきが苦手な人は避けてください。
ファミリアになりすぎて、うちの三姉妹が「血小板ごっこ」を始めた時は『マジかよ』と思いましたが。)
・斉木楠雄のΨ難
(超能力者の主人公がその能力をひた隠しにして平穏な暮らしを望むギャグマンガ。アニメ版、出来がいいです。
わかりやすい設定のため『はいはい、子どもだまし』とあなどってたら面白すぎた。
5時起きがつらい長女の耳元で「サイキ・・・、サイキ・・・」とつぶやくと、「見る・・・」とすんなり起きる。
一話5分くらいで切り上げやすいのも魅力。
主人と長女のアニメタイムでも繰り返し斉木を見たがったため、主人からストップがかかっている。
最近、最終回バージョンが追加された。)
・コードギアス 反逆のルルーシュ
日本はブリタニア帝国に占領され、11番目の国(イレブン)と呼ばれている。イレブンのある学園に隠れて暮らすのが主人公・ルルーシュと盲目の妹・ナナリー。
ルルーシュはひょんなことから秘密の多い少女・CCと会い、ギアスを授かる。ギアスは思い通りに人を動かすことができるが・・・。
いろんな人の思惑が錯綜しからみあい、すれ違う。無敵の力を得たと思われたルルーシュも罠にはめられ罪をかぶされうまくいかない。
ルルーシュの描く未来は手に入るのか・・・?!
政治マンガと思う方もいるようですが、ファンタジーらしいです。
<番外編>
ネトフリにないけどオススメ。
・トランスフォーマー
(公開から30年くらい経って映画化もされたロボットコメディ。
こき下ろす用に見てたみたい。小2にも違和感があったようで、シュールや作画ミスを楽しむアニメと認定された様子。
主人は『肩肘張って正座して見る作品ばかりじゃないよ』って伝えたいらしいです。『こういうのもあるよ』ってことで)
※ 作画ミスの一例
こちらは作画ミスされたスタースクリーム様。ふたごキャラではないですよ!
(おまけ)日本版のスタスクの声はまさに王子様って感じでかっこいいのに、原作の北米版ではヒョロい甲高い声のチンピラでぜんぜんかっこ良くなかったのが衝撃でした。
・・・こんな感じのラインナップです。
一応、わが家なりに
すべてに『見せても良い理由』と『見せる目的』があります。
こじつけと感じるところもあるかもしれませんし、首を傾げる理由もあると思います。
例えば『うちには性的マイノリティの知識はいりません!』というように子どもに知られたくない、存在を隠したいと判断する家庭もあると思います。
(隠したところでいつかは知ることなのですが)
この方針は各家庭により違うものなので、これをたたき台にして
各家庭なりの方針を定めてください。
Netflixについての補足
ほぼすべてNetFlixからのチョイスですが、NetFlixは公開している作品が不定期で入れ替わるため、上に書いてある作品がいつまで公開されているかは誰にもわかりません。
少し前まで「まんが日本むかし話」があり、重宝してたのですが、いつのまにかなくなっていました。
(今放映中のやつではなく、昔テレビでやってたやつですね)
気になった作品は早めにチェックですね。
Netflix
※ 30日間無料で視聴できるキャンペーンをやっています。
まとめ
学校で教えてくれないことを、
想像の産物、創作物(小説・絵本・アニメ・YouTubeの動画など)で補うのは有効。
子どもは楽しくないと脳みそまで届く可能性すらない。
(楽しければ脳みそまで届く可能性がある)
どの作品を見せるか?では『伝えたい内容かどうか』で決める。
レージョンは参考程度で。
子どもだけで時間つぶしに見せるのではなく、
「親が見てるのに同席する」
という前提を守る。参加や離脱は自由にさせるべき。
子どもの特性により、動画でのアプローチが向いてる子と向いてない子がいる。
親は(信頼されたかったら)一貫性を保つ。
見せた作品と見せた簡単な理由は各家庭によって違うので、各家庭によって決める。
Netflixは予告なく作品が増える・消えることがあるので、見たいものは早めに見る。
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